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前回は、ディベートの一つ対話法を活用している、ハーバード大学のサンデル教授の講義を紹介しました。 今回は、ハーバード大学のサンデル教授が実際にどのように授業を進めているのかを見てみたいと思います。 実は、この講義はウェブ上で公開されております。 その為、ハーバード大学のJusticeのウェブサイトでは、解説と講義ビデオを誰でも見られるのです。 なお、講義ビデオには、英語字幕が表示されますので、英語が聞けなくても何を言っているのか解るかと思います。 講義ビデオ(ハーバード大学の英語での講義): http://www.justiceharvard.org/index.php?option=com_content&view=article&id=11&Itemid=8 なお、講義を日本語のテキストに翻訳したウェブサイトがありますので、第1回講義「殺人に正義はあるか」の冒頭を転載したいと思います。
出典:VisualLectureのウェブサイト (注:「君は猛スピードで走っている路面電車の運転手で、行く手に5人の労働者がいることに気付いて電車を止めようとするが、ブレーキは効かない。が、脇にそれる線路待避線があることに気付く。ハンドルをきって、脇の線路に入れば、1人は殺してしまうけれども、5人は助けることができる」という仮定の問題に対して) (サンデル教授) ここで最初の質問だ。 大多数の人は脇にそれる。 学生A:1人を殺せばすむところを5人を殺すのは正しくないからです。 (サンデル教授) 1人で殺せばはすむところを5人も殺せば正しくない。 学生B:911同時多発テロ事件と同じです。 (サンデル教授) そこにある原理は同時多発テロの場合と同じだと言うことだね。悲劇的な状況だが、5人が助かるなら、1人を殺すことの方がいいということだ。この意見がほとんどかな?では少数派の意見をきいてみよう。 ハンドルをきらない理由は何かな? 学生C:これは大虐殺や全体主義を正当化する真理と同じです。ある人種を残すために、他の人種を消滅させるんです。 (マイケル・サンデル教授) では君は?身の毛もよだつ大逆殺を避けたいがためにまっすぐ突っ込んで行って5人を殺すってことかな? 学生C:はい、たぶん。 (サンデル教授) 突っ込む?他には?今のは勇気ある答えだったな。
次に、サンデル教授は少し違った状況(新しい状況:路面電車の線路の先には5人の労働者がいる。ブレーキはきかないので、このままだと電車は猛スピードで突進して5人は死ぬ。あなたは橋の上から見ているが、自分の隣に橋から身を乗り出している一人の男がいることに気付く。もし、君がこの男を突き落とせば、彼は橋から走ってくる電車の前に落ちる。彼は死ぬが5人を助けることができる)を示します。 何故始めの問題ではよかったのが次の問題では変わるのか、サンデル教授は学生に問いかけます。
出典:VisualLectureのウェブサイト さて、彼を橋から突き落とすという人は?手をあげて? じゃあ突き落とさない人は? 突き落とさないという人がほとんどだ。(中略) この2つのケースで多数派が矛盾した答えを選んだ理由がわかる人は?君!! 学生E:最初のケースは1人が死ぬか5人が死ぬかを選ばないといけないわけで、その結果、人は死にますが、死ぬのは電車が原因であって、自分が手を下したせいではないし、電車のブレーキは効かない上、一瞬でどちらかを選ばなければなりません。 でも、太った男を落とすのは殺人行為です。突き落とすか落とさないかは自分の選択だけど、電車の暴走は自分が選んだことじゃない。だから状況が違います。 今の意見に対して反論がある人は?いい意見だったが、今の意見が正解だろうか。 学生F:それは違うと思います。 どっちにしても、死ぬ人を選ばなければいけないのは同じです。ハンドルをきって、1人を殺すのも自分の意思による行為だし、太った男を突き落とすのも自分の意思による行為です。いずれも自分の選択であることに変わりはありません。 反論があるかな? 学生D:それはちょっと違うと思います。実際に線路に突き通して殺すという行為だと自分がじかに殺すことになります。 自分で手を下すからねぇ。 学生D:そうです。運転していたら、それが人に死をもたらしたのとは違います。不謹慎かもしれませんが。 いや、いい意見だ。君の名前は? 学生D:アンドル
ビデオを見ているだけでも、大変にスリリングで真剣なディベートに見入ってしまいます。 皆様が、このサンデル教授の講義に出席していたら、手を上げてどのような意見を述べるか、考え見たら面白いのではないかと思います。 今回は、サンデル教授の授業「Justice(正義)」の内容を見てみました。 次回は、何故サンデル教授は対話型の講義を続けているのかを考えてみたいと思います。
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