前回では課長さんの推論法は次のようになることを導きました。

 

A---BAくんは会社人である。

B---C)会社人は、大切なことは上司の了解を得てから得意先に回答をするのは基本だ。

A---C)従ってAくんは大切なことは上司の了解を得てから得意先に回答をすべきだ(った)。

 

 

それでは、まず課長さんの論理を分析してみましょう。

 

では、ひとつずつ分析をしてみましょう。

 

 

まず、(A---C)はどうでしょうか?

 

これは、A---B)と(B---C)を両方受け入れると、自動的に結論として出てきますね。

 

 

では、(A---Bはどうですか?当然これは受け入れないといけませんね。

 

 

では最後に、(B---C)を受け入れられるかどうかを検証してみましょう。

 

B---C)会社人は、大切なことは上司の了解を得てから得意先に回答をするのは基本だ。

 

なんとなく、そうかな、と受け入れてしまいそうですが、ここには論理の飛躍がありそうです。

 

 

推論と三段論法では、B---C)には「誰もが納得する、いわゆる「真理」や「法則」を持ってくる」と説明しました。

 

そこで、(B---C)「大切なことは上司の了解を得てから得意先に回答をするのは基本だ」は、誰もが納得する、いわゆる「真理」や「法則」なのか、検証してみましょう。

 

 

まず、「大切なこと」を考えてみましょう。

 

何が大切で何が大切でないのか、この判断基準が不明確ですね。状況に応じてこの判断基準が変わることもありえますし、人によっても違うでしょう。ですから、一方的に今回のケースが「大切なこと」に当てはまるかは決め付けることは難しいはずです。

 

次に、「基本だ」というところです。

 

いつの間に、こうしたことが基本となったのでしょうか?課長さんが決めたのですか?それとも会社の就業規則に書かれているのでしょうか?そうでなければ、どういうことが「基本」なのか列挙してもらわないと今後困るケースが多発してしまいますね。「基本」がいくつかあるとしたら、その「基本」同士に、優先順位みたいなものがあるかもしれません。つまり、「こういう場合は他に優先して何かをすべき」という類のものです。

 

こうして考えてみると、どうも課長さんの考えていることが誰でもが納得できる法則として認められるのかどうか、という点が焦点になりそうです。

 

 

では、この観点から、実際に課長さんに反駁してみましょう。

 

では、私なりの反駁の例を示します。

 

 

反駁の例:

 

「課長、課長は「大切なことは上司の了解を得てから得意先に回答をするのは基本だ」とおっしゃっています。私もその通りだと考えております。

 

しかしながら、今回のケースでは先方が即答を求めておりました。

 

私は実は、先方の即答の要請に応ずべきか、時間はかかっても課長の判断を仰いでからにすべきか悩みましたが、この状況では先方の即答の要請に応じたほうが今後のビジネスに良いと私の独断で回答をたしました。

 

次回からは、このような場合には勿論課長の判断を仰ぐつもりです。しかしながら、相手の状況を的確に判断して対応することが必要な場合もあり、今回はご理解をいただければと思います。」

 

 

 

色々な回答の仕方もありとは思いますが、私の回答は参考になりましたでしょうか?

 

 

なお、三段論法の応用と反駁は、ディベート入門 イーブック理論編に多くのケーススタディ共に詳細に解説されておりますので、ご参照ください。

 

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さて、三段論法の応用、分析、反駁と学びました。

 

そろそろ、ディベートの高度なテクニックを身につけるべきです。

 

では、次には相手の論理を使って反駁するという、ディベートの奥義のひとつである「対偶」を学びましょう。

 

 

 

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